【賃上げ促進税制】中小企業は年間の繰越控除が可能になります

青色申告を行う法人や個人事業主のうち、前年度に比べ、従業員などに対する給与等が一定割合増加した事業者は、「賃上げ促進税制」による税額控除を受けることが可能です。

2024(令和6)年度の税制改正により、女性の活躍や子育て両立支援にも上乗せ措置が新設され、中小企業の最大控除率は45%(大企業の場合には35%)に拡充されました。

また「中堅企業」の枠が新設され、大企業よりも税額控除の恩恵を受けやすいよう、制度の見直しが行われています。

 

◎大企業

<改正前>

  • 賃上げ率3%以上・控除率(原則)15%
  • 賃上げ率4%以上・控除率(原則)25%

教育訓練費増で5%上乗せ。控除の最大は30%

 

<改正後>

  • 賃上げ率3%以上・控除率(原則)10%
  • 賃上げ率4%以上・控除率(原則)15%
  • 賃上げ率5%以上・控除率(原則)20%
  • 賃上げ率7%以上・控除率(原則)25%

女性活躍・子育て支援でも5%上乗せ。控除の最大は35%に拡充

 

◎中堅企業(改正により新設)

  • 賃上げ率3%以上・控除率(原則)10%
  • 賃上げ率4%以上・控除率(原則)25%

女性活躍・子育て支援でも5%上乗せ。控除の最大は35%に拡充

 

◎中小企業

<改正前>

  • 賃上げ率5%以上・控除率(原則)15%
  • 賃上げ率5%以上・控除率(原則)30%

教育訓練費増で10%上乗せ。控除の最大は40%

 

<改正後>

  • 賃上げ率5%以上・控除率(原則)15%
  • 賃上げ率5%以上・控除率(原則)30%

女性活躍・子育て支援でも5%上乗せ。控除の最大は45%に拡充

 

今回の税制改正では、赤字企業でも賃上げ促進税制のメリットを享受できるように、税額控除額の繰越控除制度が新設されました。

賃上げを実施した年度に赤字が発生した場合など、税額控除額のうち、控除しきれない金額(=未控除額)が発生した場合には、その未控除額を翌年度以降5年間にわたって繰越し、将来発生する法人税から控除できます。

なお今回の賃上げ促進税制に関する改正については、2024(令和6)年4月1日から2027(令和9)年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されます。

 

<中小企業庁> 中小企業向け「賃上げ促進税制」

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

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